2022.08.28
地元民なのに郡山観光なんもわからんので「1泊2日郡山観光プラン」を作ってみました
わたくし、生まれも育ちも福島郡山富久山です。安積疎水で産湯を使い、姓をミサカ、名をタケハル、人呼んで「フーテンのタケ」と発します。…って誰がニートやねん———
こんにちは。トリココシステム三阪です。
本当にフーテンやニートではないんですが、ちょっとした旅行ジャンキーは入ってまして、先日東北一周の記事を書いてみて、じゃあ次は福島県か郡山市かと意気込んだところ、これが全くネタが思い浮かばない。それならいっそ地元郡山の観光呼び込み記事でも書いてみようなかな、ということになりました。
結論からいうとわりと地獄でした…。
「来て。」(…なんかこわい)
東京から郡山へのアクセス例
交通手段 | 出発地 | 所要時間 | 金額 |
---|---|---|---|
新幹線 | 東京駅 | 1時間18分(09:40→10:58) | 7,810円 |
高速バス | バスタ新宿 | 4時間7分(08:00→12:07) | 3,360~5,100円 |
車 | 東京駅 | 2時間50分~4時間(09:00→10:50) | 8,060円 ETC割 7,540円 |
郡山ですが、まあまあアクセスは良いです。
新幹線で「お先にトクだ値スペシャル50」なんかが使えると片道4,060円で来れたりします。
(福島空港は伊丹と新千歳の2路線しかないですが、大阪や札幌からもぜひ笑)
11:00 郡山駅西口到着
郡山駅は西口から出ます。
駅前広場にはGReeeeNのトビラやメンバーの手形なんかがあります。
郡山に着いたらまずすること、それは車の調達ですね。
免許持ってない方をガン無視で申し訳ないんですが、鉄道・バス・タクシー移動ではどうしようもないんです…。(ちなみにUberは使えます)
自分としてはタイムズカーシェアの短時間利用をおすすめしますが、レンタカーも西口だけで8つくらいあります。楽天トラベルで比較しても良いですし、最安値ガッツレンタカーさんもあります。
車の利用は「11:00~17:00」を想定してます。車を借りて、まずは腹ごしらえに向かいます。
11:40 かまや食堂
初手から郡山市内じゃないんですが、郡山駅から南へ車で30分ほどの「かまや食堂」さんの中華そばをチョイスしました。(特盛り中華そばだけ太麺が選べますが細麺がおすすめです)
節系のスープがやみつきになります。
人気店なので並んでると思いますがお客さんの回転は速いです。
※店舗北側の駐車場はすぐ満車になってしまうので、須賀川市役所(交差点斜め向かい)の有料駐車場の利用が無難かもしれません。
13:00 三春滝桜
続いても郡山市内じゃないんですが、日本三大桜のひとつ、「三春滝桜」が近くにありますのでぜひ寄ってみてください。かまや食堂さんから車で30分、郡山駅から20分程度です。
桜なので春先が見頃ですが、滝桜は夏も秋も冬も良いです。オフシーズンはガラガラなので、ほぼ貸し切り状態です。
桜のシーズンは有料駐車場から歩く必要があり、冬は雪道で危ないので注意してください。
14:00 安積歴史博物館
安積(あさか)歴史博物館(旧福島県尋常中学校本館)
営業時間10:00~17:00(月曜定休日)
入場料300円
「ようこそ、ジプシー…我が神秘の部屋に」
…おたく発揮してすみません。教育系の博物館なんですが、大正モダンな特徴的な建物なのでロケ地に使われることが多く、Rewriteというアニメでもオカ研の建物として使われていたりします。
外観も内観も写真映えするのでぜひ寄ってみてください。
ちなみに郡山ローカルでは「ああ旧校舎ね。懐かしい」などと発言することによって、郡山きっての進学校、安積高校OBマウントを取ることができるようです。
15:00 開成山公園
次は郡山のセントラルパーク、開成山公園。広い公園なので西側駐車場に停めると良いです。
最近、ラッキー公園ができたのでラッキーの中に入ったり、ベロリンガで滑ったりできます。
昔は競馬場もあったそうですが、散歩してゆっくりするには良い所だと思います。春には桜の名所として有名です。
余談ですがどういう巡り合わせか、北海道北見市の「ロック座」という音楽バーで、1974年、ここで日本版ウッドストック、「ワンステップフェスティバル」が開催されていたことを教えてもらいました。
ロック座のマスターはそらでワンステップフェスのタイムテーブル順にレコードをかけてくれるという離れ技をやってのけつつ、「出演していたオノ・ヨーコが興奮のあまりパンティを脱いで客席に投げた」と語ってくれていたので、もしかしたら郡山のどこかに家宝として保管されているかもしれませんね。
15:50 セブンイレブン虎丸店
通り道に「日本で初めてセブンイレブンをやめたセブンイレブン」があります。(7時から11時の営業をやめた、初の24時間営業コンビニの店舗らしいです)
今はごく普通のセブンイレブンですが、24時間営業のコンビニが初めて登場した年代、1975年に思いを馳せてみてください。たぶんヤンキーのたまり場です。
16:00 郡山合同庁舎
「男一匹が命をかけて諸君に訴えているんだぞ!」
小説家、三島由紀夫氏が蜂起を訴えて割腹自殺した三島事件。その映画「Mishima - A Life in Four Chapters」のロケ地がここ郡山合同庁舎らしいです。
まあ、最期に演説した自衛隊の建物に似てただけなんですが、動線的に必要だったので…。ちなみに、隣にあるOBROS COFFEEさんはおしゃれで美味しいのでおすすめです。
16:10 麓山公園
合同庁舎から歩いて3分ほどのところにある麓山公園。よく水が止まってるんですが、公園の真ん中に「安積疎水麓山の飛瀑」という有形文化財があります。
コンビニや合同庁舎を引き合いに出さないといけないほど観光資源に乏しい郡山ですが、ひとつ大きな偉業、日本遺産「一本の水路」があります。
安積疎水物語
広大な平野があっても水が引ける川がないため不毛の土地だった郡山。明治維新後に士族を持て余していた大久保利通は国家事業として「30km離れた猪苗代湖から郡山まで水を通す」安積疎水プロジェクトを決断します。
するとどうでしょう。米の収穫は400倍に、人口は5千人から33万人に、鯉の出荷高も日本一になりました。めでたしめでたし。
もっと細かくいえばファン・ドールンちゃんが16橋水門を作って会津側への水量を調節したり、猪苗代の洪水を防いだ、みたいな事もあるんですが、つまるところこの「安積疎水麓山の飛瀑」モニュメントは、おれたちのソウルとか、スピリッツてーの?そういうのをアブストラクトしてるわけで…。
ちなみに郡山駅西口広場にも同様のモニュメントがあります。こっちもたまに水が止まってます。
16:30 郡山ビッグアイ展望台
そろそろ車を返却して、郡山駅前で目立っているビル、「ビッグアイ」へ。せっかくなので無料展望台から軽く街を眺めてみてください。
郡山市内が一望できるビッグアイ展望ロビーへは3基並んだエレベーターのいちばん右、「スペースパーク」と書かれている専用エレベーターに乗ります。
展望ロビーには郡山市変遷のジオラマ展示などもあって無料で利用できます。もし上映のタイミングが合えばプラネタリウム、興味があれば宇宙科学の有料展示も良いかも知れません。どちらも400円ずつで入場できます。
17:00 ホテルグローバルビュー
良い時間なのでホテルにチェックインします。荷物を置いて少し休んで、なんなら風呂も入ります。
今回は、県民割とビール2杯無料だったので最近リニューアルされたホテルグローバルビューさんに宿泊する想定にしました。郡山駅から徒歩10分の立地で、大浴場とサウナがあります。
(自分が泊まったときにはサウナ故障中で入れませんでした…)
郡山駅前のホテル例
ダイワロイネットホテル
郡山駅の目の前。新しくて高級感があります。
ホテルプリシード
セントラルフィットネスジムが使えてチェックイン・チェックアウト時間がゆったりです。(ジムの中にサウナがあります)
ドーミーイン
少し離れますが徒歩圏内で、大浴場サウナが最高です。(※現在はコロナ病棟として休館中)
17:45 歩き出す街
郡山駅前を軽く散歩でも。
郡山駅前の繁華街は大きく2つに分かれてまして、駅前大通りを挟んで北側が大町(アーケード)、南側が陣屋と呼ばれています。前者が若者向けのお店が多く、後者は年配者向けのスナックが多いです。(最近はその関係性も薄くなってきますが)
駅を背にして駅前大通りを歩いて行くと、「郡山駅入口交差点」にぶつかり、交差点の西南の角に「歩き出す街」ちゃんのモニュメントがあります。
あんまり有名じゃないんですが、どこか憎めなくてかわいいです。近ごろは足下から草も生えて神々しくなってきました。
18:00 もりっしゅ
再度、郡山駅に戻って飲みはじめです。
1軒目はエキナカ2階にある「もりっしゅ」さん。福島県全域のお酒と郷土料理を扱っているお店で、本当に何でもあって美味しいです。
早い時間からオープンされていてありがたいですが、閉まる時間も早いので気をつけてください。
地ビール飲み比べセットとつまみ三種盛り。お通しの喜多方おくやさんのお豆もいいですね。三種盛りは左から「イカにんじん・ニシンの山椒漬け・あぶくまの紅葉漬け」でした。イカにんじんは郡山の郷土料理ですが、くたくたに漬け込む派と、きんぴらっぽく仕上げる派閥があるようです。(自分は浅漬け派)
追加で伊達鶏唐揚げハーフと赤ワイン(ポレール たきね北醇)。
19:00 BAR NAMU
2軒目はBAR NAMUさん。老舗のBARですが気取らずに飲めます。おすすめはGLENMORANGIEなどの限定ウイスキーです。
今は違いますが、ナムさんの名前の由来は「夜7時OPEN・朝6時CLOSE」の76からきているそうです。
小腹が空いたときにはシーフードピザやドリアもおいしいです。
20:30 RunaDen
3軒目はワイン専門のRunaDenさん。ワインど素人の自分なんかでもオススメや好みを伝えるだけで次々と珍しいワインを出してくれます。
チーズ盛り合わせも珍しいチーズばかり出てくるのでよく頼みます。
RunaDenさんの名前の由来はワインに関するものなのかな…と思っていたら、オーナーの名字が月田さんなのでした。
21:30 shamrock
4軒目はshamrockさん。フランクなBARで話しやすい雰囲気なのでカウンターに座ってみるのも一興かと思います。
深夜まで粘って飲んでいると客層がかなりディープになるかも知れません。
23:00 ホテルグローバルビュー
ホテルに戻って就寝です。もっと飲みたい、夜遊びしたいということであれば、辰美さんでカレーそばを食べたり、来来さんで朝までカラオケしちゃってください。
地元民のアドバイスとしてはスナックなどで顔出ししてないからといって「おれ、実はGReeeeNのメンバーなんだよね」などとうそぶいてしまうと「あん?じゃあカラオケ歌ってみろよ」といわれてノドを潰されるので気をつけてください。
グリーンカレーもそうですが、ご当地名物がほしい郡山。鯉の出荷高が日本一ということで最近は鯉に恋する郡山プロジェクトを頑張っています。
しかし最近、鯉の稚魚がカワウに食べられまくっているらしくまたも暗雲が…。
ビール祭りで限定発売された「スパイシーフライドカープ」
10:10 大友パン
最近はおみやげ屋さんにも郡山名物クリームボックスが売っていますが、大友パンさんでは酪王カフェオレ味やいちご・メロン味なども並んでいるので、おやつやお土産にぜひ。
ホテルから徒歩15分、駅から20分程度です。
10:30 おみやげ館
郡山エキナカ おみやげ館さん
郡山駅エキナカ1階
営業時間10:00~20:00(年中無休、08:00開店の店舗もあります)
エキナカのおみやげ館にはほとんどのお土産が揃っています。
よく郡山出張組に「お土産のレパートリー少なくてネタ切れした…」と相談される郡山市民ですが、柏屋さんの薄皮まんじゅう、三万石さんのままどおる、かんのやさんのゆべしあたりが定石になります。
ほかにも酪王カフェオレタイアップ商品や、柏屋さんの檸檬(れも)、三万石さんのエキソンパイも人気ですね。(個人的には檸檬推しです)
11:00 帰宅の途
以上、なんもわからん郡山観光について追ってみました。残念ながら、郡山観光についてはわかりませんでした!いかがでしたか?
…そんなこんなで郡山観光1泊2日プランは完遂になります。
せっかくなので郡山名物「福豆屋さんの海苔のり弁」をお供にどうでしょう。(のりべんでなく、のりのりべんです)
福豆屋さん
郡山駅エキナカ1階改札と2階改札両方にあります
営業時間09:00~18:00(年中無休)
もし、まだ時間があってお昼も郡山で食べたいようであれば、先ほどの大友パンさんの近く、福味食堂さんもおすすめです。
写真はあんかけ焼きそばですが、からあげ定食の小盛り以上を頼むとからあげをパックに詰めて家まで同行させることになるでしょう。
終わりに。郡山について
今回できるだけ頑張ってみましたが、こんな結果になりました。
わかってはいましたが、やっぱり観光となると郡山、厳しいですね。
最後の悪あがきじゃないですが、そもそも自分は旅行好きでも、観光地は好きじゃなかったりします。
今のご時世、「観光地にうまいものなし」とは言いませんが、食べ物屋さんに入っても、飲み屋さんに入っても、ホテルに帰っても、右も左も観光客ばかりなのダメなんですよね。
その点、観光地ではない土地を手ぶらで歩いていると誰も観光客として見てこないし、「観光です」と答えただけで「なんてこった!この街に観光に来るヤツがいるだなんて。お前はまったくクレイジーだぜ」といって歓迎してくれたりするのが好きです。
旅好きのバイブル、沢木耕太郎さんの「深夜特急」にある好きなフレーズを引用させてもらいます。
深夜特急1―香港・マカオ―(沢木耕太郎)
“香港の街の匂いが私の皮膚に染みつき、街の空気に私の体熱が溶けていく。街頭で華字新聞を買い、小脇に抱えて歩いていると、香港のオジサンやオバサンに呼び止められて、道を訊かれるようになった。黙っているかぎり、誰も私のことを異国人とは見なさなくなる。異国にありながら、異国の人から関心を示されない。こちらは好奇の目で眺めているが、向こうからは少しも見られない。それは、自分が一種の透明人間になっていくような快感があった。”
そんな奇特な旅が嫌いじゃないという方にはわりと郡山はお手軽でうってつけなんじゃないでしょうか。
結論としては「郡山観光はおすすめできます。ただ、他の街でも別にいいですね」という感じでしょうか。
遠方に旅行をしていると「ヘイ!YOUのホームタウンのことを教えてくれよ」と訊かれて「あれ?自分て地元のことを何も知らないんだな」と反省することがよくあったので、たまには地元を俯瞰してみるのもよい経験になるかもしれません。
(ただまあ「へへ…。オイの故郷は何もない街でさあ…。あるのは山と田んぼだけ。それが嫌で飛び出しちまったんですけどね…」というのもカッコいいですけどね)
最後の最後にグチですが、今回の取材ではホテルのロビーでご当地アイドルがガチ説教されていたり、「今さくら通り歩いてましたよね?」と連絡がきたり、1軒目の飲み屋で同伴中のスナックの知り合いに会うなど、地元民の田舎あるあるを連発しました。地元最高!