
BroadcomによるVMware買収は2023年11月に完了しました。その後の製品・ライセンス体系の変更を受け、VMware環境の継続利用と移行を比較する企業が増えています。
サイバートラストが2026年にVMware利用企業の情報システム担当者109人を対象に行った調査では、48.6%が移行先を比較検討し、28.4%が移行先を決定して移行を進めていました。合わせて77.0%が、他環境への移行を検討または進めています。
公正取引委員会は、クラウド・サービス・プロバイダー等へのライセンス条件や抱き合わせの疑いを審査しましたが、独占禁止法違反を認定するに足る事実は確認されず、2026年7月に審査を終了しました。
主な移行先
| 製品 | 向いている環境 | 特徴 |
|---|---|---|
| VirtualBox | ごく小規模 | デスクトップ型。VM数が少なく、停止時間を許容できる環境向け |
| VMware Workstation Pro | ごく小規模 | デスクトップ型。2024年11月から商用・教育・個人利用とも無償 |
| Proxmox VE | 小規模~中規模 | KVM、クラスタ、HA、ストレージ、バックアップをWeb画面から管理。VMware ESXiからのインポート機能もある |
| XCP-ng+Xen Orchestra | 小規模~中規模 | VM中心の構成。集中管理、バックアップ、レプリケーション、VMwareからの移行機能を備える |
| Microsoft Hyper-V | Windows Server中心 | Active DirectoryなどMicrosoft製品との親和性が高い。Windows Serverライセンスが必要 |
| Nutanix AHV | 中規模~大規模 | 仮想化、分散ストレージ、HA、管理機能を統合。費用は高めだが、商用サポートを含めて運用をまとめやすい |
| OpenShift Virtualization | VM+コンテナ | Kubernetes上でWindows・Linux VMとコンテナを管理。単純なESXi代替としては構成と運用が複雑 |
VM数が少なく、停止時間を許容でき、別媒体への定期バックアップと復元確認ができる環境なら、VirtualBoxやVMware Workstation Proでの運用も選択肢になります。HAや複数ホストの集中管理が必要な場合は、Proxmox VEなどのサーバー向け基盤が適しています。
規模と運用体制で選ぶ
- 物理サーバー1~3台:Proxmox VEを最初の検証候補にする
- VMwareに近い集中管理:XCP-ng+Xen Orchestra
- Windows Server中心:Hyper-V
- 多数のVMと商用サポートを重視:Nutanix AHV
- VMとコンテナを同じ基盤で運用:OpenShift Virtualization
小規模環境では、ライセンス費用を抑えながらWindowsとLinuxを運用できるProxmox VEが有力です。ただし、2台構成のHAや共有ストレージ、バックアップ先は事前に設計する必要があります。
移行前に確認したいこと
移行先は費用だけでなく、ゲストOSや業務ソフトの動作保証、バックアップ、障害時の復旧方法、国内サポートまで含めて比較します。
Proxmox VEにはESXiからのインポート機能がありますが、vSAN、暗号化ディスク、仮想TPMなどには制限があります。まず一部のVMで移行と復元を検証し、その結果から全体の移行計画を作る方法が現実的です。
